レスキュードキュメント

高層集合住宅11階ベランダに遺棄された猫、まりも  2018年1月

深夜になると気温が0度になる真冬の1月、板橋区の高層住宅11階に居住する方より猫のレスキュ依頼が舞い込みました。

『かすかに窓をたたく音がしたためカーテンを開けるとベランダに猫がいました。窓を開けると背骨がごつごつとやせ細ったスコテッシュが姿を現し、ヨタヨタと室内に入ってきました。スコテッシュは冷えきった体をすりよせて必死に甘えるので抱きかかえストーブの前に移動させご飯を与えました。自宅で飼ってあげたい気持ちはありますがペット不可住宅であり年金生活のため飼うことができません、この猫を保護してほしいです。』

依頼者の家のベランダは隣の住人のベランダと立て板で仕切られ、足元が猫が通れるほどのスペースがあります。そして依頼者の家の左右に号室が5室づつ並んでいます。依頼者には全ての居住者にスコテッシュを飼っていなかったかを聞いてもらいましたが飼い主と名乗る人は現れませんでした。依頼者の方に保護されなければまりもの未来は、転落死、凍死、餓死のいずれかだったでしょう。

まりもを引き取り動物病院に搬送しました。栄養失調による衰弱と貧血、脱水、そして腹部は大きく膨れ大量の尿と便がたまりとても危険な状態でした。まりもはすぐに入院になりました。動物病院をいくつか転院し50日ほど入院して治療と検査をしました。入院している間まりもの体のことでわかったことがありました。最初の病院では弱っているまりもの体に負担がかからないようカテーテルで排尿させ大腸にがっつり溜まった便を毎日毎日少しづつ14日ほどかけ摘便しました。便を出し切ると肛門から尿がでてきてしまうようになりました。なぜ肛門から排尿してしまうのか詳しく調べるため検査のできる病院に転院しました。

その結果、まりもは先天的に大腸と尿道がつながっている奇形であることがわかりました。そのため排泄が上手くできなく肛門からおしっこを失禁してしまいます。また下痢などおこすと便が尿道に入ってしまい膀胱炎や尿毒症などの原因となることや体内で二次感染をおこしてしまう恐れがあるということもわかりました。

まりもそんなハンディを背負い生まれ、飼い主と3年間ほど暮らしてきました。

まりもは気が付いていたのだと思います、自分は棄てられたということ。

でも生きたい、また人と一緒に暮らしたい。まりもは残された力を振り絞り窓をたたきました。力をこめてたたきました。

かすかに聞こえた窓をたたく音…それはまりもの命の声だったのでしょう。まりもは現在、定期的に治療しながら力強く生きています。

毎週土曜日午後1時半から午後4時まで里親会を開催しています。ご家族皆様でぜひ猫たちに会いに来てください。詳細は、里親会タイトルでご確認ください。